親権とは


親権とは、未成年者の子どもが成人するまで保護して養育し、教育を受けさせ、財産を管理して、子どもが契約するときには代理人となり、子どもの利益を守る権利や義務のことをいいます。

親権は、子の父母が婚姻中の場合には、父母が共同して行います。(民法818条3項本文)

しかし、父母が離婚する場合には、父母の一方を親権者として定めます。(民法819条)

未成年者の子どもがいる場合には、親権者を決めなければ、離婚届は受理されません。(民法765条)

そのため、父母でどちらが親権者になるのか意見が合わずに、親権をめぐり争いになることがあります。

親として親権を争うときは、父母のどちらが親権者になるのが、子どもの利益となるのかという観点から、しっかりと話し合うようにしてください。

親権の内容

親権の具体的内容は、大きく「財産管理権」と「身上監護権(監護権)」に分けることができます。

●財産管理権の内容
  • 子どもの財産を管理する権利
    子ども名義の預貯金、子どもが相続や贈与で得た財産を適正に管理します。
  • 法律行為を代理する権利
    未成年者は、一人で有効に契約をすることができませんので、携帯電話やアパートなどの契約では、親権者が代理や同意をします。
●身上監護権(監護権)の内容
  • 監護教育権
    子どもを保護して健全に育て、自ら教育し、また教育を受けさせる権利と義務があります。(民法820条)

  • 居所指定権
    子どもの住む場所を指定する権利であり、実質的に子どもと暮らす権利ともいえます。(民法821条)

  • 懲戒権
    子どもに対して、監護教育における必要な範囲内で、懲戒・しつけをすることができます。(民法822条)

  • 職業許可権
    子どもの就業を許可したり、その職業に堪えることができない場合には、取り消しや制限が可能です。(民法823条)

●身分行為の代理
身分行為とは、人の家族法上の地位や身分に変動をもたらす法律行為で、15歳未満の子の養子縁組、子の氏の変更許可、相続の承認や放棄などのことです。

身分行為の代理権・同意権は、財産管理権か身上監護権のどちらに含まれるか、異なる見解があります。

次項で説明させていただきますが、離婚をするときに、親権から身上監護権を分けるケースが稀にあり、その場合には財産管理権(親権)を持つ親が代理することになります。

親権と監護権を分ける
離婚をする場合には、親権者が子どもを引き取って育て、子どもの財産の管理や法律行為の代理をすることになります。

従って、親権者が前項で説明した「財産管理権」と「身上監護権」の両方を有しています。

ただ非常に稀なケースではありますが、親権者とは別に監護権者を定めることがあります。

この場合には、「財産管理権」と「身上監護権」を分けることになります。

親権者が財産管理権を持ち、監護権者が身上監護権を持って子どもを引き取って育てることになります。

双方が親権を譲らず、離婚ができないときに、妥協案や打開案として親権と監護権を分離させることにより、離婚の話し合いがスムーズに進むきっかけになることがあります。

しかし、双方が子どもを引き取って育てたる監護権を求めている場合には、親権と監護権を分ける意味がありません。

また、子どもの学校、役所、病院、銀行などの手続きや携帯やアパートなどの契約は親権者の同意が必要になります。

そのため、子どもと一緒に住む監護権者は、その都度、親権者に連絡を取り協力を求めることになります。

監護権者が再婚し、子どもと結婚相手の養子縁組を望む場合、養子縁組は身分行為なので、前項で説明したように、親権者の同意が必要になります。

このように、離婚後も父母の関係が良好であれば問題はありませんが、悪い場合にはお勧めできません。

話し合いの結果、親権と監護権を分ける場合には、離婚協議書や公正証書を作成しましょう。

親権者は戸籍に記載されますが、監護権者は記載されないため、証明することができません。

必ず、離婚協議書や公正証書を作成し、自分が監護権者であり、子どもを引き取り育てることを記載しましょう。

親権者の決め方

父母のどちらが親権者になるのかは、夫婦の話し合いによって決めることになります。

現在、日本では、父母が離婚する場合には、父母の一方を親権者として定めます。(民法819条)

未成年者の子どもがいる場合には、親権者を決めなければ、離婚届は受理されません。(民法765条)

父母のどちらが親権者になるのが、子どもの利益となるのか考え、話し合って決めることが大切です。

夫婦の話し合いによって決めることができない場合には、家庭裁判所へ離婚調停の申立てることになります。

その調停の中で親権についても話し合いをしていくことになります。 調停でも決まらない場合には、離婚訴訟を提起して、その中で裁判所に判断してもらうことになります。

親権者を決めるための基準
裁判所が親権者を決める際には、以下の諸事情を総合して判断します。

  • 子どもの監護状況
    現在の子どもの安定した生活環境を変えないこと(監護の継続性)や、これまでどちらが主に監護をしてきたのか(監護の実績)など、子どもの監護状況は重視されます。

  • 子どもの意思の尊重
    子どもが15歳以上の場合は、裁判所は必ず子どもの意思を確認する手続き取ることになっており、15歳未満でも自分の意思を表すことができれば、その事情は考慮されます。

  • 乳幼児の母性優先
    子どもが乳幼児である場合、生育には母性が不可欠であるとするものです。以前は、母親が優先とされていましたが、性別ではなく、子どもと母性的な関りを持つことが重視されます。

  • 兄弟姉妹の不分離
    特に、子どもが小さい場合には、兄弟姉妹を引き離し、別々に暮らすことになる心理的な影響が考慮されますので、判断する基準となります。

  • 面会交流への姿勢
    面会交流に協力的であるかどうかは、重視されます。一緒に住んでいない親との交流は、子どもの成長にとって、良いことであると考えられるからです。

  • その他
    子どもへの愛情、経済力、健康状態、生活環境、生活態度、子どもの年齢や性別、環境の変化への順応性など

専業主婦と親権

裁判所が親権者を定めるときには、子どもの利益や福祉が最優先されます。

経済力も親権者を決めるための基準の1つですが、そこまで問題にはなりません。

それよりも、現在どちらと安定した生活を送っているのかなど、子どもの監護状況が重要視されます。

仮に収入が少なくても、養育費や国や自治体の公的支援制度により補うことができるからです。

しかし、離婚後の子どもたちとの生活に備えて、生活の基盤となる収入を得ることは重要です。

また、これから収入を得るという意欲をみせることも、親権者を決めるにあたり有利に働くと思います。

育児とのかねあいもよく検討しながら、体を壊さないように無理のない範囲で、働くようにしましょう。

父親と親権

調停や審判によって親権者が決まる場合には、約90%の割合で母親が親権者になっています。

理由は、日本では多くの父親はフルタイムで働き、母親よりも育児に費やせる時間が少ないケースが多いからです。

フルタイムで働いていると、保育園児のお迎えや小学校の低学年の帰宅の時間に間に合わないことも多いと思います。

また、子どもは、父親よりも母親と過ごす時間が長いため、より母親に愛着を感じ、親権者として父親よりも母親を選ぶケースが多いこともあります。

しかし、父親が親権者になれないというわけではなく、父親が子どもと一緒に安定した生活をしているという実績があれば、親権について父親が有利になるでしょう。

母親が子どもを虐待や育児放棄をしていたり、子どもが15歳程度で父親と暮らすことを望んでいる場合にも、父親が親権者になる可能性は高くなります。

不貞行為(不倫や浮気)と親権
親権者を決める場合には、子どもの利益や福祉が最優先され、どちらが親権者になる方が好ましいのかという観点から判断されます。

そのため、不貞行為(不倫や浮気)は、あくまでも夫婦間の問題であって、子どもには無関係であり、親権には直接的に影響は与えません。

子育てを放棄して、不貞行為(不倫や浮気)をしていたという場合には、親権者を決める上で不利な事情になる可能性はあるでしょう。

不貞行為(不倫や浮気)により、相手が親権者にふさわしくないと主張することがあると思いますが、親権を諦める必要はありません。

親権者の変更

父母が離婚する際に、未成年の子どもがいる場合には、父母の合意で親権者を定めることができます。

しかし、離婚後に親権者を変更する場合には、必ず家庭裁判所に親権者変更の調停・審判を申立てる必要があります。

父母が変更に合意していたとしても、父母の合意のみで変更することはできず、必ず家庭裁判所の関与が必要です。

家庭裁判所が親権者の変更を認める場合は、「子の利益のため必要があると認めるとき」と定められています。(民法819条6項)

そのため、親権者変更の調停・審判を申し立てたとしても、必ずしも親権者の変更が認められるとは限りません。

親権者を変更することは、子どもにとって、現在の生活環境が変わることになり、決して望ましいものではありません。

子どもの生活環境が変わるリスクを負ってでも、親権者を変更した方が良いと考えられる、それなりの事情や理由がある場合に限定されます。

親権者の変更が認められ例として、以下のようなケースがあります。

  • 親権者が虐待や育児放棄をしている
  • 子どもが親権者変更を望んでいる
  • 親権者が死亡、重病、行方不明である

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